あきる野青年会議所
第27代理事長 飯島 大地

人生とはなんだろうか。漠然とした不安の解決を求めていた時、あきる野青年会議所に出会い入会しました。
まちをよりよくしたいという同年代のパワーに惹かれ、積極的に活動している姿を見て、この人たちみたいにかっこよくなりたい。誰かを支えられるようになりたい。そして、肩をならべて話せるようになりたい。そんな夢を描くようになりました。青年会議所は同じ目的に向かい、夢を熱く語り、活動を共にします。議論をかわし、真剣かつ健全な衝突を繰り返すことで、人と人が高め合うこともできます。JC運動を通じて、自分の価値観が広がり、より自分の住み暮らす地域を愛するようになりました。そして、自ずと不安は消えていき、「人と懸命に生き、縁ある人によい影響をもたらし、その輪を広げていきたい」この想いは私にとってかけがえのない信念となりました。
JC運動にはまちを活性化し、人を成長させる力があります。事業の構築に向けてのプロセスや、事業を終えた達成感、様々な業種や人生経験を積んだ人との世代を超えた交流があり、なにより人との関わりで喜びに触れることが数多くあります。その中で生まれた揺るぎない信念と、心の底から世の中の人の役に立っている、という思考から自律的な行動が生まれます。そして、一人ひとりの信念が集まることで、大きく強い行動力となり、まちを変革する力となるのです。
あきる野青年会議所は、秋川流域の明るい豊かな社会の実現を目標として運動しています。人と自然が持続的に共生できる仕組みを模索し、現代社会でどう活かしていくかを考え、地域で育まれてきた知恵と新たな発想を活用し、今後のまちづくりに活かしてまいります。また、地域の活力を失うことなく、持続可能なまちとなるためには、市民による地域課題解決と、次代を担う若者の積極的な参画が重要であります。若者の積極的なまちづくり活動は、行政だけではなく市民と諸団体を巻き込み、そこから生まれる個性的な発想や、魅力的な取り組みは多くの人を惹きつけます。そして、型にはまらずに怯むことなく、若者が夢を描けるまちを創造していくことと、愛するまちの地域課題を市民自らが解決をしていくことは、私たちの夢であり真に豊かな社会の実現へとつながります。そのためには、私たち自身が柔軟な思考をもち、自らを成長させ、地域の人たちによい影響を及ぼすことで、地域の連帯を高めるとともに発展の活力を醸成していきます。そして、私たちあきる野青年会議所が運動を発信し続けることで、共に運動する市民が増え持続可能なまちへと進化していきます。
地域を一つに
第38回東京ブロック会員大会「あきる野大会」の開催から13年が経ちました。東京ブロック大会は、東京中の青年会議所メンバーが一堂に集う最大の運動発信の場であり、秋川流域の魅力を広く発信する絶好の機会です。行政や地域諸団体をはじめ多くの市民と垣根を超えた連携を強化し、地域資源を最大限活用することが必要です。
そこで、自然と共生する新たな秋川流域の価値を創出するために、第52回東京ブロック大会「あきる野大会」を開催いたします。また、地域資源をより有効に活用するために、メンバー一人ひとりが自分と家族、家族と地域というように様々な視点と広い視野で改めて地域と向き合い、その魅力を多くの都民に発信していきます。地域資源である自然の中にはワクワクが沢山あり、好奇心をくすぐり、心の豊かさを育む環境を最大限活用し、この秋川流域に広い地域から人が集まるまちの価値を創出してまいります。
東京ブロック大会には、地域の方々との新たな出会いがあり、旧来からある考えと新たな考えを融合する機会であり、新しい地域の夢を示すことができます。「緑豊かな秋川流域において、自然と共生する真に豊かな社会(まち)を築く」というあきる野青年会議所の理念を体現する東京ブロック大会を通して、秋川流域に宿る運動の理念と、地域が持つ力を合わせ、この二つを原動力とする、市民参加型のまちづくりができる新しい秋川流域につながると確信します。
出会いと学びと交流を
まちづくり運動を行う上で、ばらばらに活動しているだけでは、自己満足・自己完結に終わってしまい、まちづくりの豊かさは半減してしまいます。地域に暮らす多様な人財との出会いと、地域の未来を本気で考える人的ネットワークの広がりが重要です。また、あきる野青年会議所においても、明るい豊かな社会の実現に向けて、影響力のある運動を展開していくには、同じ志や理念を共有する仲間を一人でも多く増やしていくことは通年の課題であります。
まずは、創立より26年、市民、行政、地域の関係諸団体など多くの皆様にご支援いただいたこと、尊敬の念を抱くとともに深い感謝を申し上げます。改めて私たちの想いをお伝えし、更なるご理解とより深い関係をつくります。
また、青年会議所では次代を担う世代の育成を掲げています。秋川流域が持続可能な地域となるべく、次代を担う若い世代との交流の機会を増やし、共に学び関係を深めていきます。地域の青年が世代を超えた価値観を認め合い、互いの違いを理解し合うことで、新しい価値観を体現することができます。
そして、住み暮らすまちをより良くしたいという想いは市民共通の夢であります。また、活動を共にする仲間が多くなれば、より大きな運動となります。互いの夢を語り、まちの未来を語る。多くの人を巻き込むことが、運動を継続発展させる鍵だと考えます。
同じ時間を過ごし、承認しあう。そこに大きな価値や存在意義を感じるからこそ、組織が好きになり、よりまちを愛することができます。人と人との出会いと交流が地域のリーダーの幅広い能力と人間性を養い、まちへの貢献とつながります。
新たな地域資源
秋川流域の自然や田園地帯は私たち大人や子供たちにとって、直接的な触れ合いから心と体によい影響を与えてくれます。しかしながら活用方法や知名度としては活かしきれていない現状があります。地域資源を有効活用し、秋川流域全体で連携したまちづくりが必要です。
まず、秋川流域で現在活用している資源を見つめ直し、新しい活用の仕方を考えます。新しい価値を見出し、より多くの市民に地域の魅力を感じていただきます。
また、5回目となる秋川流域花火大会を実施します。地元愛を育み、若い世代を巻き込む事で、地域の皆様と連携する事業として継続的に開催できる仕組みを構築していきます。私たち地域の大人が秋川流域の資源を見直し、若い人が主体となれるコミュニティを創ることで、持続可能な活気あるまちづくりとなるのです。
自律するリーダーへ
私たちが運動できているのは、家族や職場と地域の支えがあるからです。より理解いただけるように、行動で示さなければなりません。私たち自身が愉しく活動し、成長発展することが支えてくれている人たちへの貢献であります。また、地域コミュニティ活動への参加者の減少や組織の担い手の高齢化により、まちづくりに対して市民の積極的な参加が減少しています。地域に必要とされる、多様で柔軟さをもつ地域を牽引するリーダーの育成が急務です。
時代が目まぐるしく変化する今、よりよいまちづくりを目指すには、地域諸団体が手をとり合い、より強固な連携を創ることが必要です。連携を推進するには、地域活性に求められる理想像について認識を深め明確にしていくことで、多様な人財の活性が期待されます。
そのためにも、組織内の一部の人だけがリーダーシップを発揮するのではなく、それぞれが自分の個性を生かした行動を起こすことが重要です。私たち自身がリーダーとなるべく自覚し、JC運動だけではなく地域のリーダーとして在り方を模索することで、未来のまちの発展へとつながります。
また、私たちの運動へのご理解、ご支援いただくためには、多くの市民に知ってもらうことが重要です。情報量が多い時代の中で、受け手としては関心のあるものしか見ない傾向にあります。目に留まるように定期的な発信をすることと、戦術的にSNSツール活用をし、伝えたい情報をより多くの市民に届けることが大切です。
おわりに
私たちは、自ら関わることを選択し、家庭と仕事を営みつつ、まちや人のために行動することを決意しました。人を愛し、まちを愛し、夢を語る。青年が過去にとらわれず、未来を恐れずに、明るいまちを夢みて行動していく。そんな明るい豊かなまちを目指してまいります。最後になりますが、今私たちがここに立ち運動を行えるのは、これまでこのまちを支えていただいた皆様のおかげです。この機会を最大限活用してまいります。関係諸団体のみなさま、先輩諸兄姉、一年間変わらぬご支援ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い致します。